新しい年を迎え、皆様いかがお過ごしでしょうか。

今回は「健康」についてのお話しです。
「あなたは健康ですか?」と質問されたとき『はい』と答えられるでしょうか。
病気になっていないことが、「健康」だと思っていませんか?

2014年の厚生労働省の委託調査にて、普段の健康状態について聞いたところ、「非常に健康だと思う」「健康な方だと思う」と答えた人が、全体の73.7%であった。その上で、健康状況を判断する際に重視した事項を尋ねたところ「病気がないこと」 をあげた人が63.8%と最も多く、次いで「美味しく飲食できること」40.6%、「身体が丈夫なこと」をあげた人が40.3%(複数回答可の設問)となっていました。多くの方が、健康かどうかを図る際、身体的な面を重視していることが分かる結果でした。

実は健康とは【病気じゃないから健康】というわけではないのです。

健康とは、病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあることをいいます。(日本WHO協会訳)」

え?!病気がなくても健康じゃないのなら、誰から“健康”を教えてもらえばいいの?!

では、改めて「健康」について もう少し掘り下げてみましょう。

健康維持の三要素、食事・睡眠・運動

食べる:~健康維持の食事とは?~

健康の維持のための食事は、 エネルギーの 「量」と「質」 が基本のポイントです。

身体を動かしたり、身体の機能を正常に働かせたりするためには、エネルギー(カロリー)が必要です。車で例えると、ガソリンの役割になるのがエネルギーです。ガソリンがなくなると車が走らなくなるように、エネルギーが不足すると、身体は正常な働きができなくなってしまいます。まずは、「自分に必要なエネルギーを十分にとる=量の確保」が重要です。

次に、栄養の「質の確保」です。
五大栄養素とは、 エネルギーがとれる 三大栄養素(たんぱく質、脂質、炭水化物)にビタミン、ミネラルを加えた五つの栄養素を指し、それぞれ身体にとって大切な役割があります。
エネルギーのもとになるのが、炭水化物、脂質。身体をつくるもとになるのが、たんぱく質、ミネラル。身体の調子を整えるのが、ビタミン、ミネラルです。
健康な食生活について触れる際に「色々な食品を食べよう!」とよく耳にすると思いますが、それは、五大栄養素をバランスよくとることに繋がるからです。特定の食品に偏ることなく、色々な食品を取り入れて、栄養バランスのよい食事をこころがけましょう。

眠る:~健康維持の睡眠とは?~

日本人(15歳~64歳)の平均睡眠時間は7時間22分でOECD加盟国中最下位になっています。
慢性的な睡眠不足は、昼間の眠気やだるさを引き起こすだけではなく、体内のホルモン分泌や自律神経機能にも大きな影響を及ぼすことが知られています。食事との関連性では、寝不足になると食欲を抑えるホルモン(レプチン)の分泌が減少し、逆に食欲を高めるホルモン(グレリン)の分泌が増加することが分かっています。

睡眠時間を確保することが望ましいですが、忙しい現代社会の中で、急激にライフスタイルを変えることは難しい場合もあります。そんな時注目したいのが、睡眠の「質」です。
アミノ酸の一種であるグリシンは、睡眠の質に役立つことが、味の素の研究で分かってきました。活動的な毎日を送るために、睡眠時間の確保はもちろん、良質な睡眠をとることをこころがけましょう。

運動する:~健康維持の運動とは?~

厚生労働省では、健康日本21(第二次)において、2023年までの身体活動・運動分野の目標を定めました。この目標を達成するためのツールとして、厚生労働省健康局より、「健康づくりのための身体活動基準2013」が発表されています。
みなさんが実際に取り組む際に、分かりやすく参考になる手立てとして、「アクティブガイド」が示されました。

「+10(プラステン):今より10分多く体を動かそう」をメインのメッセージとしており、糖尿病、心臓病、脳卒中、がん、ロコモ、うつ、認知症などによるリスクを、下げる可能性があることが示唆されています。
「健康のための身体活動チェック」が設けられており、現在の自分にとって必要なアクションが分かりやすく提示されているので、ぜひ試してみてください。

★過去の記事「健康に+10!(プラステン)」もご覧ください。

一緒に「健康」を考える

薬に関する相談はもちろん、健康に関することや介護や食事・栄養摂取に関する相談にも応じることができるのが調剤薬局です。

これからの時代は、「健康」の状態を維持することがとても重要とされています。よく耳にする健康寿命とは、健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間のことです。
これは、年を重ねた方だけが考える話ではなく、今はまだ病気とは縁遠い若い世代の方にも関係する話。
私たちも、皆様と一緒に「健康」を意識して生活習慣を見直そうと思います。

そして、コロナ禍以降は、処方せんをお持ちでない方も、抗原検査キットをお買い求めに来ていただいたり、万が一かかってしまったときに備え市販薬の購入のために来局していただく機会も増えました。
調剤薬局では、健康相談などは事前に予約が必要な場合もございますが、いつでも薬剤師に相談することができます。気軽にお越しください。

健康維持の三要素、食事・睡眠・運動:味の素株式会社「健康と生活習慣」より