近年、若年層を中心とした深刻な社会問題となっている「オーバードーズ」をご存じでしょうか。オーバードーズとは、薬を使う時の1回あたりの用量が過剰であること、または薬物の過剰摂取に及ぶ行為のことをいいます。インターネットなどで市販薬が手軽に購入できるようになってから、この問題が加速しています。
2023年(令和5年)4月1日より、濫用等のおそれのある医薬品の指定範囲の変更と、販売する際に下記の内容の確認が必要となりました。
・高校生、中学生などの若年者に販売する際は、氏名と年齢
・他の店舗での購入状況
・適正な使用のために必要と認められる数量は、原則として1人1包装単位(1箱、1瓶など)ですが、それを超えて購入する場合の理由
薬局では一般用医薬品を販売する際に、いくつか質問させていただいております。
例えば、風邪薬の場合は「今日は、せきがありますか?のどが痛いですか?頭は痛いですか?」などの症状の確認と、「他に飲んでいるお薬はありますか?」など併用薬やアレルギー(副作用)、治療している病気が無いかなどの確認をしてから、その方に合ったお薬を選んでおすすめしています。
それに加えて、今後は若年者への不適切な販売を防止するための年齢や氏名の確認と、複数個の購入や頻回購入、複数店舗での購入を防止するために「前回購入されたものは飲み終わっていますか?」「ドラッグストアなど他の店舗での購入はありますか?」など体調などに関わらない質問もさせていただくことになります。
オーバードーズと濫用等のおそれのある一般用医薬品の販売方法については、4月23日に行われた全体会議でもテーマに上げられました。 ここ数年、会議はzoomを利用して行われていますが、その模様はこちらです。
今回の勉強会で、改めてオーバードーズの多様化された現状を理解し、改正された内容を再確認し知識を深めることができました。オーバードーズの背景を考えると販売しなければ良いという問題で済むものではありませんが、誤った服用によりからだに負担をかけること、死に至るようないたましい事件は防ぐことができます。販売の際に、質問が多く手間だなあと感じることもあるかもしれませんが、ご理解いただけますと幸いです。