久喜市のクラージュ薬局にAED(自動体外式除細動器)を設置しました。
AEDとは、突然正常に拍動できなくなった心停止状態の心臓に対して電気ショックを行い、心臓を正常なリズムに戻すための医療機器です。
TVドラマで目の前で人が倒れていてAEDを使う場面を見たりしますが、自分の目の前でそんなことが起きたら慌ててしまって何もできないかもしれません。
せっかく薬局にAEDを設置しても使えなければ何の役にも立ちませんね。
これをきっかけに、正しい応急処置について考えてみました。
自分が生きていくあいだに、目の前の人が意識を失って倒れる・事故にあって倒れている場面に遭遇する可能性がないとは言い切れません。『正しい応急処置ができるのか』と不安があったため、「埼玉東部消防組合消防局」の方々に協力していただき、救命講習(入門コース)を受講してきました!
【救命の連鎖】
「救命の連鎖」とは、傷病者の命を救い、社会復帰に導くために必要となる一連の行いのことで、4つの項目で構成されています。
①心停止の予防
②心停止の早期認識と通報
③一次救命処置(※心肺蘇生法とAED) ※心肺蘇生法:胸骨圧迫+人工呼吸
④二次救命処置(救命救急士や医師による高度な救命医療)
上記4つの項目がしっかり繋がることで救命効果が高まるそうです。
今回の救命講習(入門コース)では②、③を特に重点的に実技演習いてきました。
【AEDを使用した実技演習】
今回の救命講習では人型の模型、AEDを実際に使用した実技演習を行いました。
❶傷病者の反応を確認
❷反応がない場合、大声で助けを呼ぶ(AED、119番通報)
❸腹部・胸の動きを見て普段通りの呼吸かを10秒以内で確認
❹呼吸がない場合・判断ができない場合は胸骨圧迫
❺準備できた段階でAED
救急隊の到着までAEDの指示に従って胸骨圧迫とAEDを繰り返します。
【救命講習(入門コース)を終えて】
救急車が現場に到着するまでの時間は、全国平均で約9分です。
現在は、新型コロナウイルスの影響により感染対策の防護服を着用するため、到着平均時間が9分より伸びているだろうとのことでした。
また、新型コロナウイルス感染対策のため、心肺蘇生のうち成人傷病者への人工呼吸は行わないそうです。
救急車到着までの9分間でいかにいち早く一次救命処置をスタートできるかが傷病者の救命に大きな影響をもたらす、ということでした。
(1)心臓・呼吸が止まってからの救命の可能性
↳一次救命処置をした場合はしていない場合の2倍以上
(2)救命後の社会復帰の割合
↳救急隊到着までにAED処置をした場合はしてない場合の2倍以上
まとめ
今回の講習で胸骨圧迫を行いましたが、成人男性が30回続けただけで体力を激しく消耗しました。実際には救急隊が到着するまでの間《100~120回/分》のペースで続けなければなりません。1秒間に約2回。これを約9分間。
成人であれば深さ5センチ以上6センチ未満、小児・乳児であれば胸の厚さの約1/3が凹むぐらいの力で押します。
力の弱い方にとっては特に大変です。救命の連鎖を止めないようにするには、全ての人が協力し合うことが大切です。AEDの存在を知っているか・AEDを準備できるまでに正しい心肺蘇生をできるか、医療従事者として現場で素早く的確に指示できるよう、正しい知識を得ることができてよかったと思いました。