薬局プレアボイドとは

プレアボイドとは、Prevent and avoid the adverse drug reaction (薬による有害事象を防止・回避する)という言葉を基にした造語です。薬局薬剤師 が、薬学的ケア(Pharmaceutical Care)を実施し、患者の不利益を回避あるいは軽減した事例を言います。
患者様やご家族からいただいた情報、薬局で記録している情報、検査の値から得られる情報などをもとに、 適切な薬物療法を実施すること、更には、副作用を回避することが私たち薬局薬剤師の責務です。

サンテの取り組み

サンテグループの薬局では、毎月、報告のあったプレアボイド事例を共有しています。そして、1年間の報告事例の中から、優れた取り組みを表彰しています。

今年度は3名の薬剤師が表彰されました。

①薬剤減量が 患者様のQOL改善につながったケース

がんの痛みを和らげる薬を増量した患者様に、日常生活に支障があるほどの強い眠気が出ました。
痛みの緩和を優先するのか、生活の質を優先するのか、
患者様と向き合ってご希望を聞き、薬剤の特性を踏まえて医師に副作用発現の報告と薬剤減量の提案をしました。
お薬の量を減らして経過を見たところ、幸い痛みが増すこともなく眠気が改善、日常生活が送れるようになった事例です。

②認知機能低下を考慮した処方提案

薬局が活躍できる場面の一つが認知症対応です。
糖尿病治療薬を服用している患者様、認知症で一人でお住いの方です。
ご家族の話から、薬の飲み誤りが懸念されました。
介護スタッフのサポートが受けられる朝の時間帯に 服薬が集約できるよう、飲んでいる薬を1日1回のタイプに変更し飲み誤りを防止した事例です。
糖尿病治療薬の服用を誤ると、低血糖を起こすことが考えられます。 1人暮らしなので気づくことが遅れ、重大な結果につながるかもしれなかったケースでした。

③配合剤にかかわる処方提案

お薬には、複数成分を含む配合剤があり、その種類は年々増えています。
他の医療機関や診療科から処方された成分の一方が重複あるいは相互作用を引き起こす場合があります。
配合剤を中止しただけだと、本来の治療効果が得られなくなります。
医師の処方意図をくみ取り、削除や変更とあわせて、期待した薬効の薬剤追加を提案した事例です。

患者様に安全、安心なお薬を

事例は、 公益財団法人日本医療機能評価機構の「薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業」に報告し、全国の薬局と共有しています。
私たちは、この取り組みを通じて患者様に安全、安心なお薬を提供できる様、一層の努力を重ねてまいります。